寒露は、秋の乾燥が進む頃
寒露は、秋が深まり、朝晩の冷え込みが強くなってくる時期です。
昼間は過ごしやすくても、朝晩は肌寒く感じたり、空気の乾燥が気になったりする日が増えてきます。
この頃になると、喉がイガイガする、唇や肌がカサつくといった変化を感じる方もいるのではないでしょうか。
そして、もうひとつ目を向けたいのが「便の状態」です。
秋になってから便が硬くなったり、排便がスムーズにいかなくなったりしているなら、季節の変化だけでなく、水分摂取や食事、活動量など、日々の過ごし方も振り返ってみましょう。
便秘にはさまざまな原因があり、秋の乾燥だけで説明できるわけではありません。しかし、季節の変わり目を体の状態を見直すきっかけにすることはできます。
東洋医学では「肺」と「大腸」は表裏の関係
東洋医学では、秋は「肺」と関係が深い季節と考えられています。
ここでいう「肺」は、現代医学でいう肺臓だけを指すのではなく、呼吸や体表、水分の巡りなどに関係する働きを含めた考え方です。
また、東洋医学には「肺と大腸は表裏の関係にある」という考え方があります。
肺と大腸は、異なる働きを担いながらも、互いに関係の深い存在として捉えられているのです。
肺は呼吸を通して外界と関わり、大腸は便をつくり、不要なものを体外へ排出する役割を担います。
このような考え方から、秋の養生では、喉や鼻の乾燥だけでなく、お通じの状態にも目を向けることが大切だとされています。
もちろん、これは東洋医学の考え方であり、空気の乾燥が直接大腸を乾燥させるという意味ではありません。
実際の便秘には、水分や食物繊維の摂取量、運動不足、薬の影響、病気など、さまざまな要因が関係しています。
東洋医学の視点も参考にしながら、体全体の変化を見ていきましょう。
便が硬くなるのは、なぜ?
便の大部分は水分でできています。
大腸では、腸の内容物から水分が吸収され、便が形づくられます。便が腸内に長くとどまると水分がさらに吸収され、硬くなって排便しにくくなることがあります。
また、水分摂取が少ない、食事量や食物繊維が不足している、体を動かす機会が減っている、便意を我慢しているといったことも、便秘につながる要因です。
秋は夏に比べて喉の渇きを感じにくくなり、水分を飲む量が減る方もいます。
さらに、夏の疲れが残っていたり、生活リズムが変化したりすることで、食事や排便の習慣が乱れることもあります。
「秋になって便が硬くなった」と感じたら、単に腸を動かそうとするだけでなく、体に必要な水分や食事がきちんと取れているかという視点も持ってみましょう。
秋の養生は「潤いを守る」ことから
では、寒露の時期には、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。
1.水分をこまめに取る
涼しくなると、夏ほど水分を飲まなくなることがあります。
喉が渇いていなくても、食事や休憩のタイミングで少しずつ水分を取りましょう。
水やお茶、温かい飲み物など、自分が続けやすい方法で構いません。
ただし、心臓や腎臓の病気などで水分制限がある方は、医師の指示に従ってください。
2.潤いを意識した食材を取り入れる
秋の食卓には、梨、れんこん、白ごま、山芋などを取り入れてみましょう。
これらは、季節の食事を楽しみながら、食物繊維などの栄養素を補う助けにもなります。
便秘対策では、野菜、果物、豆類、きのこ、海藻、全粒穀物などから食物繊維を取ることも大切です。
食物繊維は急に増やすとお腹が張ることがあるため、体調に合わせて少しずつ増やしていきましょう。
3.冷たいものばかりに偏らない
朝晩が涼しくなってきたら、温かい汁物やお茶なども取り入れてみましょう。
東洋医学では、季節に合わせて食事や生活を整えることを大切にします。
無理に温かいものばかりにする必要はありません。今の気温や体調に合わせて、心地よく過ごせる方法を選んでください。
4.便意を我慢しない
便秘対策では、食事や水分だけでなく、排便の習慣も大切です。
特に朝食後は、腸の動きが活発になりやすい時間帯です。
便意があれば我慢せず、トイレに行く時間を確保してみましょう。無理にいきまず、リラックスして排便できる環境をつくることも大切です。
便秘を「体からの変化」として捉えてみる
便秘が気になると、つい「出さなければ」と考えがちです。
もちろん、便をスムーズに排出することは大切です。しかし、それだけでなく、最近の食事や水分、睡眠、運動、ストレスなどを振り返ることも必要です。
喉が渇く、肌がカサつく、便が硬くなる。
こうした変化が重なっているなら、体の状態を見直すきっかけにしてみてください。
ただし、便秘が続く場合や、強い腹痛、血便、意図しない体重減少などがある場合は、季節のせいと決めつけず、医療機関に相談しましょう。
寒露の養生で、秋の体を整える
寒露は、秋が深まり、空気の乾燥や朝晩の冷えが気になり始める頃です。
東洋医学では、秋は肺と関係が深く、肺と大腸は表裏の関係にあると考えます。
だからこそ、この季節は喉や肌だけでなく、お通じの変化にも目を向けてみましょう。
水分をこまめに取る。潤いを意識した食事を楽しむ。便意を我慢しない。
まずは、できることから少しずつ。
秋は「出す」ことだけでなく、「潤いを守る」ことも意識したい季節です。
季節の変化に合わせて、自分の体をいたわる時間をつくっていきましょう。🍂
